株式会社エコノミクス&ストラテジー

ローエンド市場への参入と価格競争

はじめに

本記事では、水平差別化で競争している市場において、ローエンド新商品を出すことで価格競争を和らげるという戦略を提案します。価格弾力性の高いローエンドの消費者を、ローエンドの新商品で囲い込んでしまうことで、元々の商品間の価格競争を和らげるというのが、アイデアです。

ローエンド消費者と価格競争

水平差別化して競争している場合、価格競争を激化させる要因の一つは価格弾力性の高い低所得者層の存在です。この層は、水平的な違いに対して支払ってもよいと考える金額が少ないため、一方が少し値下げすると多くの割合がスイッチします。つまりこのローエンド消費者の存在が、顧客全体の平均的な価格弾力性を高め、価格競争を激しくさせる原因と言えます。つまり、この層をめぐって争わなくても済むようにすれば、価格競争は和らぐはずです。その手段の一つに、低品質低価格のローエンドで新商品を販売する戦略  があげられます。

例えば、iphoneとアンドロイドが水平差別化で争っている事例を考えます。理論的には、弾力性の高い低所得者の存在が、顧客全体の平均的な価格弾力性を高めて、価格競争を激しくさせてしまっていると言えます。この時、サムスンが低品質低価格の新商品を出すことで、ローエンド顧客を元々の競争から排除する戦略を考えてみます。ローエンド向けに別の商品を作って投入するという戦略です。価格弾力性の低いローエンド顧客を、新商品で取り込んでしまうのです。そうすることで、Iphoneとの元々の競争においてローエンド層をめぐって争わずにすむようになるため、顧客の価格弾力性が低くなり、Appleの値下げインセンティブを弱めることができます。もちろん、Iphoneとサムスンの新商品の間で価格競争は起きますが、Iphoneと元々のアンドロイド機種との間の価格競争は、ローエンド消費者がいなくなるので緩和されることになります。このようにして、サムスンはAppleとの価格競争を緩和し、収益を大きくできる可能性があります。

まとめ

このように、ローエンド層をめぐって競合と争わなくても済むような市場環境を作ることで、価格競争を和らげることができます。ローエンド消費者向けに、ローエンド商品を作り取り込むことで、元々の競争での価格競争を緩和し、利益を大きくできる可能性があるのです。

反対に、ハイエンドに新商品を出した場合には、元々の競争において価格競争が激しくなってしまうことになります。高品質重視の高所得者を、ハイエンドの新商品に取り込んでしまうことで、元々の競争での価格弾力性が高くなってしまうからです。

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