はじめに
水平差別化で、二企業が競争している市場を考えます。この時、そのうちの一社がハイエンド市場に新商品を出した場合、価格競争が激しくなってしまうという理論を説明します。
高所得顧客の存在は価格競争のストッパーになる
一般的に、高所得者は商品やサービスの水平的な差異に対してより多くのお金を支払う意思があります。例えば、Iphoneとアンドロイドについて、どちらのUIが好きかなどは人それぞれですが、自分の好きな方にいくら多く払ってもよいかという額は、高所得者の方が大きくなる傾向にあります。水平的な違いに対して支払ってもよいと考える金額の分布の分散が大きいということです、この結果、価格を1単位下げた際に競合他社から奪える顧客の割合が低くなり、価格弾力性が低くなるという特性が生まれます。つまり、水平差別化で企業が競っている際、高所得消費者の存在が、顧客全体の平均的な価格弾力性を低くし、価格競争を緩和します。
ハイエンド市場への参入
マクドナルドとケンタッキーが競うファーストフード市場を事例として扱います。この二社は水平差別化していると言えます。この時、ケンタッキー社が、既存のブランドとは別に、高品質高価格ブランドを作ったとしましょう。品質の高さに多くの金を払ってもよいと考えるハイエンド消費者は、ケンタッキーの新ブランドに取り込まれることになります。この時、元々のマクドナルドとケンタッキーの競争からは、ハイエンド消費者はいなくなることになります。高所得者消費者の存在は、価格競争のストッパーとして機能していましたが、それが新商品に流れて居なくなってしまうと、消費者の平均的な価格弾力性が高くなってしまいます。その結果、マクドナルドの値下げインセンティブが強まり、価格競争が激しくなることになります。マクドナルドの値下げは、ケンタッキーの新ブランドと既存ブランドの両方を価格競争に巻き込みます。したがって、ケンタッキーはハイエンド新ブランドを出しても収益を大きくできない可能性があるのです。
まとめ
水平差別化の競争をしている時に、ハイエンド向けに高品質高価格商品を出してしまうと、価格競争が激しくなる恐れがある、というのがこの記事の趣旨です。ハイエンド新商品販売の論点として、この記事の内容は大いに活用できるのではと思います。ハイエンド商品を出してしまうと、価格競争が激しくなる可能性があり、収益を十分に増やせない可能性があるのです。
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