参考論文
Chen, Y. (2001). On Vertical Mergers and Their Competitive Effects. RAND Journal of Economics, 32(4), 667–685
はじめに
競合が垂直統合していて部品の製造も行っているというときに、その競合から部品を一部購入することで、価格競争を緩和させることができるという理論があります。以下のページで詳しく説明しています。これと同じ論理で、競合他社があるサプライヤーの株式を持っている場合、そのサプライヤーから一部部品を購入することで価格競争を緩和することができます。
ケース
企業AとBが最終財をめぐって競争しているとします。この2社はいくつかのサプライヤーから部品を仕入れているとします。企業Aは、サプライヤーの1社であるサプライヤーXと資本関係にあり、株式をいくらか持っているとします。この時企業Bとしては、サプライヤーXから部品を一部購入することで、企業Aの価格値下げのインセンティブを小さくし、価格競争を緩和することができます。
この理屈は以下の通りです。仮に企業Aが値下げをした時、企業Bから顧客を奪い最終財の売上を増やすことができますが、企業Bの売上が下がることでサプライヤーXの企業Bからの受注が減ります。つまりサプライヤーXの利益が下がる作用が発生し、間接的に企業Aの資本収益が低下する作用も発生するのです。
企業Bとしては、企業Aと資本関係にあるサプライヤーXから部品を仕入れることで、企業Aが値下げしたら自動的に自身もダメージを食らうようになる構図を作り出すことができ、企業Aの値下げインセンティブを弱めることができるのです。
まとめ
もし競合他社が、サプライヤーの一つと資本関係にある場合、そのサプライヤーから部品を一部購入することで、価格競争を和らげることができます。競合他社のインセンティブ構造を操作することで、競争の起こりにくい市場環境を作ることができるのです。
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