株式会社エコノミクス&ストラテジー

需要の不確実性と価格競争

参考論文

Green, E. J., & Porter, R. H. (1984). Noncooperative collusion under imperfect price information. Econometrica, 52(1), 87–100


はじめに

一般的に、違法ではない産業間の価格の維持(暗黙の共謀)は、競合他社の価格を監視することで成り立ちます。もし値下げを見つけた場合、すぐに値下げで仕返しし続けるということを各々に予想させることで、価格を維持することができます。(フォーク定理) この記事では、競合他社の価格を把握することが難しい場合を考えます。

需要の不確実性と価格競争

一方で、他社の価格を把握することが難しい場合も存在します。特にto Bの商材を販売する時、競合他社が何円で販売しているのが把握できないことが一般的です。他社の価格を直接把握するのが難しい場合は、自社の売上が減っていないかどうかを確認することで、他社が値下げ裏切りをしていないか確認することができます。自社の売上が下がり次第仕返し値下げが発生する、ということを各々に予想させることで、価格競争を予防できることが可能です。

ですが需要の不確実性が高い場合、自社の売上が減った際に、その原因が他社が裏切ったからなのか、それとも全体の需要が落ちたからなのかを特定することが難しくなります。つまり需要の不確実性が大きいと、価格共謀が維持されにくくなってしまうのです。

つまり価格競争の抑止のために、各社は協力して需要の不確実性を小さくすることに投資をするのが戦略の一つとして考えられます。


まとめ

他社の価格を直接把握するのが難しい場合、自社の売上の増減を見ることで他社の裏切りを検知することができます。この検知システムを頑健なものにするために、各社で協力して市場の需要の不確実性を小さくすることが有効かもしれません。というのも、需要の不確実性がある場合、自社売上の減少が競合他社の裏切りによるものか、総需要の減少によるものかを見分けることができないからです。

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