はじめに
耐久財を販売する市場について、コースの仮説(Coase Conjecture)という理論が存在します。耐久財を販売する場合、将来の値下げを消費者が予想するため、独占企業であっても高価格を維持できず低価格を付けざるを得ない、という理論です。競争市場でも、このコースの仮説の作用が発生する可能性があり、それに対する対応策をこの記事では提案します。
コースの仮説
コースの仮説とは、耐久財を販売する独占企業は、将来の値下げを予想する消費者によって、現在高価格を維持することができず、結局は限界費用に近い価格で販売せざるを得なくなる、というものです。
消費者は耐久財を一度買うと、長期間買う必要がなくなります。そのため、売り始めてから時間がたつと、支払許容額の低い人だけが顧客として残るようになるため、企業としては価格を下げてその人たちに売ることが合理的になります。このことを最初から消費者は予想し、購入を先延ばししようとするため、企業は最初から低価格を提示せざるを得なくなるのです。
ある耐久財市場で、二社が差別化して競争しているような寡占市場でも、コースの仮説の作用が働き、価格を下げざるを得ない状態になる可能性があります。せっかくの差別化の効果が薄まり、激しい価格競争に陥ってしまう可能性があるのです。以下では、各社が協力して、このコースの仮説の出現を防ぐ戦略を提示します。
リース化
コースの仮説の出現を防ぐ方法の一つに、商品を販売するのではなくリース化するというものがあります。一定期間借りた後、返さないといけない仕組みにすることで、支払許容額の高い人も将来的に借り続けないといけなくします。そうすることで、将来価格が下がるという消費者の予想を打ち消すことができ、コースの予想の出現を防ぐことができるのです。
2社が水平差別化で競争している時、両方がリース化することが価格競争の緩和のためには重要になります。一社がリース化をしていないと、その会社がコースの仮説通りに低価格を付けざるを得なくなり、結果としてリース化している企業もリース価格を下げないといけなくなります。2社で協力して、両方ともリース化することによって、価格競争を抑止することができる場合があるのです
このような協調をすることで、価格競争を抑止することができる。
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